私たちは危機感を持っています。このままでは日本が衰亡してしまうのではないか。全国各地域では高齢化が進展し、若者は減少し、工場は海外移転し、商店街はシャッター街と化し、農地や森林は荒廃しています。地方の疲弊は都市の衰退を招き、我が国全体の活力が失われることが懸念されます。我が国の再生には、これを構成する地域単位での活性化が不可欠です。ただし、地域を取り巻く社会経済環境は大きく変化し、これまでのような右肩上がりの拡大成長を前提とした活性化手法は通用しなくなっています。
このような危機感のもと私たちは、国民が安心して暮らし続けられる活力ある日本を未来につなげるため、これまでの延長線上とは異なる「創生」の視点で地域活力の再生を推進し、高い志と熱い情熱を持って「地域創生」に取り組みます。
地域の「創生」とは
地域の「創生」とは何か
地域の「創生」とは、これまでとはまったく視点の異なる新たな将来ビジョンを持って地域の機能を再構築し、地域活力の再生を図ることです。
なぜ新たな将来ビジョンが必要なのか
なぜ、新たな将来ビジョンが必要なのでしょうか。 それは「失われた20年」が証明するように、我が国の地域活力を取り巻く社会経済環境は近年大きく変化し、公共事業や企業誘致といったこれまでと同じ視点で地域活力の再生を図ることが困難になっているからです。我が国は、人口減少社会を迎え特に生産年齢人口が減少し、高齢化は進展し、財政状況は悪化し、地球環境問題が深刻化するなど、地域活力の前提となる環境が大きく変化しています。
どのような将来ビジョンが必要なのか
それでは、どのような将来ビジョンが必要なのでしょうか。 図らずも3.11の東日本大震災は、過剰な消費・生産を押し進め、地球全体の循環からの逸脱しなければ実現困難な我が国、そして世界の現行ビジョンにイエローカードを突き付けました。 将来ビジョンは、過剰と逸脱が経済成長の前提となっている現行ビジョンとは異なり、小さな資源(人、時間、資金、エネルギーなど)を連携させて大きな力に換えるとともに、イノベーションを誘発することにより、利便性と経済活力の維持・向上を実現する持続可能性の高いビジョンであると考えます。例えば、次のようなイメージが想定されます。
- エネルギー消費量を減らすために自動車の燃費向上に注力するのではなく、そもそも自動車に過度に依存せずとも豊かに暮らせるまちづくり(コンパクトシティなど)を推進する。
- 高齢化に伴い増大する医療費・社会保障費の削減に汲々とするのではなく、そもそも高齢になっても病気になりにくいまちづくり(健康まちづくりなど)を推進する。
- 海岸線に延々と防潮堤を築き災害に真正面から対峙するのではなく、そもそも災害の被害を最小限に食い止め、災害が発生したとしても回復が早いまちづくり(減災まちづくりなど)を推進する。
「地域創生」をドライブする2つの力 (チェンジドライバー)
複雑化している地域課題を突き詰めると、その課題の根源(チェンジドライバー)は「産業・雇用の創出」と「安全・安心の確保」であると私たちは考えます。
「産業・雇用の創出」は地域にキャッシュを生み出す「攻めの取り組み」であり、「安全・安心の確保」はコストを要する「守りの取り組み」であり、この攻守が一体となった取り組みが地域創生を加速する最も重要な力(チェンジドライバー)であると考えます。
(1)産業・雇用の創出
地域で産業を興し雇用を確保できれば、地域経済が潤い、かつ、人口(若者)の流出を抑制することが可能となります。地域経済が潤えば、新たに地域へ投資する原資を確保できるとともに、高齢者対応などの社会コストの負担が可能となります。また、人口(若者)の流出が抑制できれば、少子化に対応することが可能となり、また、地域の伝統や文化を継承することが可能となります。
これらのことから、「産業・雇用の創出」は、地域活力の再生に最も必要な力の一つであると考えます。ただし、産業・雇用も地域外からの企業誘致では、せっかく当該地域で生み出された付加価値(粗利)のほとんどが地域外の本社・本店によって運用されることになってしまうため、当該地域内での内発的な産業・雇用(いわゆる地場産業)の創出・振興を図る必要があります。
(2)安全・安心の確保
高齢者をはじめとして誰もが安全・安心に暮らせる環境が確保できれば、将来に対する不安が低減し、消費を刺激することが可能となります。消費が刺激されれば、地域経済が潤い、地域の安全・安心のための新たな投資の原資を確保することが可能となります。また、将来に対する不安が低減すれば、少子化に一定の歯止めが掛ることも期待できます。
これらのことから、「安全・安心の確保」は、地域経済の活性化や少子化の抑制などが期待できる、地域活力の再生に最も必要な力の一つであると考えます。
小さな成功から再生のスパイラルを起動
地域課題の解決は段階的に
地域課題の根源(チェンジドライバー)は「産業・雇用の創出」及び「安全・安心の確保」の2つですが、同じ課題であってもその内容はさまざまであり、また、課題解決に向けて取り組むべき施策・事業も多岐にわたるため、すべての施策・事業を一度に実施することは困難です。
地域再生のシナリオ設定に基づく小さな成功の積み重ね
地域課題を解決し、地域活力の再生を推進していくためには、人・物・金・情報などで着手可能な施策・事業から実施することが現実的であり、小さくとも成功事例をつくり、それを積み重ねることが重要です。成功事例ができれば、地域内で横展開が可能となるとともに、成功事例によって生み出された経験やノウハウ、人材、資本などを次の施策・事業に充当することが可能となり、地域再生のポジティブ・スパイラル(好循環)を生み出すことができます。
ただし、施策・事業の実施に際しては、当該地域の課題分析を十分に行うとともに、地域再生に向けたシナリオを設定し、効果の大きい施策・事業を見極めた上で取り組むことが肝要です。
計画づくりに留まらない実現化までの一貫した取り組み
当社他部門と連携した多様なソリューションの提供
地域課題は複雑化しており、活力再生の効果を高めるためには、小さな施策・事業であっても複数の分野のソリューションを連携させて実施する必要があります。例えば、高齢者の安全・安心の確保のためには、見守りシステムの構築と高齢者雇用施策、健康指導、地域包括ケア、バリアフリー施策などを組み合わせ並行して進める必要があるかもしれません。
このような地域課題に対応するため、我々は、我々が有しているソリューション(地域振興、産業振興、都市計画、医療福祉など)に当社内の他部門が有しているソリューション(金融、情報、環境、人財など)を必要に応じて組み合わせ、地域活力の再生に取り組みます。
NTTグループと連携した事業化・実現化までの支援
また、地域活力再生の実現のためには、単なる計画づくりに留まることなく、計画した施策・事業を実行・事業化する必要があります。
我々は、地域の人々(住民、行政、企業、NPO)と想いを共有し、相互に連携しつつ、計画づくりから実現化までの一貫した支援を行うとともに、必要に応じNTTグループと連携して事業化・実現化に取り組みます。
地域創生分野において、当社では、「地域雇用・産業の創出」(地域でお金を生み出す:攻め)と「安全・安心の地域づくり」(地域のお金を使う:守り)を地域創生の攻守の両輪として位置づけ、ICTを積極的に活用して、サービスを提供しています。
地域で雇用が確保できなければ、地域が自立することはできません。
地域で産業を振興し雇用を確保できれば、地域経済が潤い、かつ、人口(若者)の流出を抑制することが可能となります。
私たちは、地域の内発的な産業・雇用の創出・振興を重視し、その計画づくりから実現化・事業化までの一貫した支援を行います。
高齢者をはじめとして誰もが安全・安心に暮らせる環境が確保できれば、将来に対する不安が低減し、消費を刺激することが可能となります。
安全・安心は空間的な問題だけでなく、経済、雇用、交通、消費、医療・福祉、防災・防犯など多岐にわたります。
私たちは、地域特性に対応した複数のソリューションを組み合わせ、安全・安心の地域づくりの支援を行います。

ビジネスの場としての地域創生
- 事業性のある地域計画を立てる
- 商店街をビジネスの場に変える
- 空き店舗をまちの中心施設にする
は次ページをご覧ください。