日常生活で生じるあらゆる要望に応えるのがコミュニティコンシェルジュである。健康や保険に関するアドバイス、旅行の手配、飲食店情報の提供、老後の資産運用など、生活全般に関する相談・要望に対して適切な回答やサービス提供を行う。受付応対は一人であるが、その後ろには多くの相談員が控えており、相談内容に応じて適した専門家や事業者が対応する。
コミュニティコンシェルジュによるサービスは、高齢者からの必要性がとくに高いという点で注目を集めており、団塊の世代が定年退職を迎える2007年以降、急激にニーズが高まると予測されている。高齢者のニーズが高いと考えられている理由は、主に次の三つである。
最も大きな理由として考えられているのが、生活業務の外部委託サービスを望む傾向が高齢者の中で強くなっていることである。老後の生活にゆとりをもちたいという高齢者にとって、生活業務の外部委託サービスは非常に魅力的である。それは家事全般の代行といった生活業務の軽減にとどまらず、提案や相談を受けなければ解決が困難な日常生活における問題を解消できることに大きな魅力がある。
次に、人間は老化に伴い情報収集方法などの趣向が変化するといわれていることである。インターネットを活用して情報収集を行っている若い世代が高齢者になったときにパソコンの使用を止めるとは思えないが、身体の老化に伴い直接対話や視覚的に理解しやすい情報提供を好む傾向にあるといえよう。コミュニティコンシェルジュはそのニーズを確実に吸収している。また、情報の形についても老化に伴い趣向が変化するといわれている。高齢者がテレビでNHKを好んで見る理由は、NHKのアナウンサーの発音などが高齢者にとって理解しやすいからであるという主張をしている研究もあるほどだ。
最後に、情報過多の現代においては、情報を取捨選択する行為に価値が置かれており、その役割を担うコンシェルジュが必要とされていることが挙げられる。とくに退職後に自宅で過ごす時間が長くなり外部からの情報収集の機会が少なくなった一部の高齢者は、サービスの比較ができるだけの情報量を持ち合わせていないことがあり、情報提供のみならず情報の比較も行ってくれるコ ンシェルジュサービスは必要性が高いといえる。また、顧客とサービス提供者との間には情報の非対称性が生じているため、情報の信憑性を提案などにより補完し、顧客が望んだサービスを受けられる手助けも期待されている。
図1:コミュニティコンシェルジュのサービス概要

出典:NTTデータ経営研究所にて作成 |