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応用脳科学アドバンスコース「ソーシャル・ウェルネスマネジメント」第1回(乾先生・亀田先生)

タイトル「共感脳と他者理解:その機構と発達障害」

講師紹介

乾 敏郎(いぬい としお)先生

  • 乾先生 写真
    【現職】
    • 追手門学院大学 大学院 心理学研究科 教授
    • 京都大学 特任教授 名誉教授
    【ご経歴】
    • 大阪大学 大学院基礎工学研究科生物工学専攻修了
    • 大阪大学 人間科学部行動系行動工学助手
    • 京都大学 文学部哲学科心理学教室助手
    • 視聴覚機構研究所 認知機構研究室主幹研究員を経て
    • 1991年京都大学 文学部哲学科心理学教室助教授
    • 1995年京都大学 文学部人文学科心理学教室教授
    • 1996年京都大学 大学院文学研究科心理学研究室教授
    • 1998年より京都大学 大学院情報学研究科教授
    • 2000~2004年NTTリサーチプロフェッサ
    • 1999~2004年日本学術振興会 未来開拓学術研究プロジェクトリーダー
    • 2004~2006年文部科学省21世紀型革新的先端ライフサイエンス技術開発プロジェクト研究代表者
    • 2005~2010年独立行政法人科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 浅田共創知能システムプロジェクト共創知能機構グループリーダー
    • 2015年より追手門学院大学 大学院心理学研究科教授
    • 2015年京都大学 特任教授
    • 2015年京都大学 名誉教授
    • 2016年~追手門学院大学 大学院心理学研究科長
  • 【研究概要】

    人間の高次の認知機能がどのようにして実現されているのかを実験と理論の両面から研究を進めている。具体的には、視覚のパターン認識、身体化による認知、異種感覚情報の統合、言語・非言語コミュニケーション機能などが脳内でいかに実現されているかを、心理学的実験とニューラルネットワークモデルによる計算機シミュレーションという方法で研究している。また人間の脳活動のイメージングによって脳機能の計測も行っている。

  • 【主なご実績】
    • 乾 敏郎(2016)社会的認知機能を支える神経基盤とその障害. 矢野, 岩田,落合(編)『認知発達研究の理論と方法-私の研究テーマとそのデザイン』金子書房.
    • 乾 敏郎(共著,2015)日本発達心理学会(編)『脳の発達科学』 「発達科学ハンドブック」第8巻 発生・発達する神経ネットワークと発達障害の機序, 新曜社, 276-290.
    • Fukui, T., and Inui, T.(2015)Use of early phase online vision for grip configuration is modulated according to 4 movement duration in prehension. Experimental Brain Research, 233, 2257-2268
    • Efremova, N. A., and Inui, T.(2014)An inferior temporal cortex model for object recognition and classification. Scientific and Technical Information Processing, 41, 362-369.
    • 乾 敏郎(2014)言語理解を可能にする左半球ネットワーク. 神経心理学, 30, 284-295.
    • Sasaoka, T., Mizuhara, H., and Inui, T.(2014)Dynamic parieto-premotor network for mental image transformation revealed by simultaneous EEG and fMRI measurement. Journal of Cognitive Neuroscience, 26, 232-2
    • 46.
    • Shibata, H., Inui, T., and Ogawa, K.(2013)Role of the dorsolateral prefrontal cortex in recognizing hand actions performed in social contexts: An fMRI study. NeuroReport, 24, 803-807.
    • Iwabuchi, T., Inui, T., Ohba, M., and Ogawa, K.(2013)A functional MRI study of a picture-sentence verification task: evidence of attention shift to the grammatical subject. NeuroReport, 24, 298-302.
    • Inui, T.(2013)Toward a unified framework for understanding the various symptoms and etiology of autism and Williams syndrome. Japanese Psychological Research, 55, 99-117.
    • 乾 敏郎(2013)『脳科学からみる子どもの心の育ち-認知発達のルーツをさぐる』 ミネルヴァ書房.
    • 乾 敏郎(2013)身体化による認知と自閉症スペクトラム. 作業療法ジャーナル, 47, 9, 984-987.
    • Ogawa, K., and Inui, T.(2012)Multiple neural representations of object-directed action in an imitative context. Experimental Brain Research, 216, 1, 61-69.
    • Ogawa, K., and Inui, T.(2012)Reference frame of human medial intraparietal cortex in visually guided movements. Journal of Cognitive Neuroscience, 24, 1, 171-182.
    • 乾 敏郎(2012)現代電子情報通信選書「知識の森」感覚・知覚・認知の基礎. オーム社.
    • 乾 敏郎(2012)誤った知覚から世界に関する修正不能な信念が生じる脳内メカニズム. 日本精神神経学会誌, 114, 2, 171-179.
    • Nagai, C., Inui, T., and Iwata, M.(2011)Fading-figure tracing in Williams syndrome. Brain and Cognition, 75, 10-17.
    • Ogawa, K., and Inui, T.(2011)Neural representation of observed actions in the parietal and premotor cortex. Neuroimage, 56, 2, 728-735.
    • Shibata, H., Inui, T., and Ogawa, K.(2011)Understanding interpersonal action coordination: An fMRI study. Experimental Brain Research, 211, 569-579.
    • Asakura, N., and Inui, T.(2011)Disambiguation of mental rotation by spatial frames of reference. i-Perception, 2, 1 - 9.
    • Song, W., Inui, T., and Takemura, N.(2011)A Neural Network Model for Image Formation of the Face Through Double-Touch Without Visual Information. Wang, R. and Gu, F.(Eds.)Advances in Cognitive Neurodynamics, Springer, 441-445.
    • Ogawa, K.. and Inui, T.(2011)Decoding Action Selectivity of Observed Images Using fMRI Pattern Analysis. Wang, R. and Gu, F.(Eds.)Advances in Cognitive Neurodynamics, Springer, 129-133.
    • Inui, T. and Ashizawa, M.(2011)Temporo-Parietal Network Model for 3D Mental Rotation. Wang, R. and Gu, F.(Eds.)Advances in Cognitive Neurodynamics, Springer, 91-95.
    • 乾 敏郎(2011)神経系の発達、胎児の運動発達と顔バイアスの獲得過程. 心理学評論, 54, 2, 123-137.
    • 乾 敏郎(2011)コミュニケーション機能の発達と障害. 神経心理学, 27, 8-18.
    • 乾 敏郎, 吉川左紀子, 川口 潤(2010)『よくわかる認知科学』 ミネルヴァ書房.
    • 乾 敏郎, 小川健二(2010)認知発達の神経基盤:生後8ヶ月まで. 心理学評論, 52, 4, 576-608.
    • 乾 敏郎, 永井知代子, 小川健二(2010)認知発達の神経基盤:9ヶ月から2歳まで. 心理学評論, 53, 2, 169-195.

開催概要

講義内容
  • 1)「like-meシステム」

    これは、他者と自己が共通の知識を持つことによって、他者動作や意図を理解する機能である。この機能はミラーシステムと呼ばれるネットワークによって作られる。他者の動作の理解は、自己の運動系を使って理解する。つまり自己と他者が共鳴するのである。このような共鳴による理解は、コミュニケーションをする2人の脳活動を同時に記録することにより実証されてきた。具体的には、2人の脳波記録や機能的MRIによるものである。われわれは、共鳴するが他者の行為を模倣することはない。それはこの模倣行動を抑制する機能が他に働いているからである。さらにこのシステムが感情を処理するシステムと結合することにより、共感が生まれる。

  • 2)「different-from-meシステム」

    これは他者のこころを読む機能である。この機能によって私たちは、他者の視点で物事を考えたり、他者の外見的には見えない心の内を推測したりする。「like-meシステム」が他者の外面的な動作を理解する機能であるのに対し、「different-from-meシステム」は他者の内面的なこころの状態を推定する機能である。この2つのシステムは互いに相互作用しながらコミュニケーションしている。前述の2人の脳活動計測からもこのことが示されている。

    本講義ではこれらの機能とその相互作用について紹介し、併せて発達障害や精神疾患との関連性について述べる。

日時
2016年10月18日(火)13:30~17:00(13:10より受付開始)
※ 乾先生のご講義は、13:30~15:00です。
場所
▶ワテラスコモン(御茶ノ水)
(東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地)
お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。

タイトル「「正義」や「モラル」は脳の中にどのような基盤をもつか?」

講師紹介

亀田 達也(かめだ たつや)先生

  • 亀田先生 写真
    【現職】
    • 東京大学大学院人文社会系研究科・教授
    【ご経歴】
    • 1984社会学修士 (東京大学大学院社会学研究科)
    • 1989Ph.D. (University of Illinois at Urbana-Champaign, Department of Psychology)
    • 1989東京大学文学部助手
    • 1991東洋大学社会学部講師
    • 1994北海道大学文学部助教授
    • 1997.7~1998.4Fulbright Fellow (University of Colorado at Boulder, Northwestern University)
    • 2000北海道大学大学院文学研究科教授
    • 2001.9Deutscher Akademischer Austausch Dienst Research Fellow (Max Planck Institute in Berlin, Center for Adaptive Behavior and Cognition)
    • 2006.10~2014.9日本学術会議第一部連携会員
    • 2008.8~2009.7Residential Fellow (Stanford University, Center for Advanced Study in the Behavioral Sciences)
    • 2009.10~2012.3Global COE 心の社会性に関する教育研究拠点 (北海道大学) リーダー
    • 2012北海道大学社会科学実験研究センター長 (兼務)
    • 2014.10東京大学大学院人文社会系研究科教授
    • 2014.10日本学術会議第一部会員
  • 【研究概要】
    • 専門は、実験社会科学、社会心理学、行動生態学。ヒトの社会行動のしくみを、“進化・適応のメタ理論”(亀田・村田 2010「複雑さに挑む社会心理学:適応エージェントしての人間」有斐閣)から研究している。「さまざまな不確実性を人々が社会的にどのように解き、集団としてのメリット(“規模の経済”)を実現し得るのか」という問題意識から、①社会規範や「正義」の概念の成立ちとその行動・認知・神経基盤の検討、②集団での意思決定や協同行為を支える認知・行動アルゴリズムの解明、③他者と関わる心(“共感性”)のしくみの理解、などに関心をもつ。脳科学、経済学、進化生物学、情報科学など隣接領域の研究者とのコラボレーションをすることが多く、分野の壁を超えて新技術・新知識を貪欲に取り入れたいと考えている。
  • 【主なご業績】
    • [主要著書編書]
      • 亀田達也(著)(近刊).ヒトから人へ―モラルの起源を考える. 岩波新書.
      • 亀田達也 (編著) (2015). 「社会の決まり」はどのように決まるか (フロンティア実験社会科学, 第6巻). 勁草書房.
      • 山岸俊男・亀田達也 (編著) (2014). 社会のなかの共存 (岩波講座 コミュニケーションの認知科学, 第4巻). 岩波書店
      • 石黒広昭・亀田達也 (編著) (2010). 文化と実践. 新曜社.
      • Schaller, M., Heine, S.J., Norenzayan, A., Yamagishi, T. and Kameda, T. (Eds.) (2010). Evolution, culture, and the human mind. New York: Psychology Press
      • 佐伯胖・亀田達也 (編著) (2002). 進化ゲームとその展開. 共立出版.
      • 亀田達也・村田光二 (2000, 2010). 複雑さに挑む社会心理学―適応エージェントとしての人間. 有斐閣.
      • 亀田達也 (1997). 合議の知を求めて―グループの意思決定. 共立出版.
    • [主要研究論文]
      • Kameda, T., Inukai, K., Higuchi, S., Ogawa, A., Kim, H., Matsuda, T., & Sakagami, M. (in press). The Rawlsian maximin rule operates as a common cognitive anchor in distributive justice and risky decisions. Proceedings of the National Academy of Sciences.
      • Kameda, T., Inukai, K., Wisdom, T., & Toyokawa, W. (2015). Herd behavior: Its psychological and neural underpinnings. In S. Grundmann, F. Moeslein & K. Riesenhuber (Eds.), Contract governance. (Pp. 61-71). Oxford, UK: Oxford University Press.
      • Kameda, T., Wisdom, T., Toyowaka, W., & Inukai, K. (2012). Is consensus-seeking unique to humans? A selective review of animal group decision-making and its implications for (human) social psychology. Group Processes and Intergroup Relations, 15, 673-689.
      • Kameda, T., Murata, A., Sasaki, C., Higuchi, S., & Inukai, K. (2012). Empathizing with a dissimilar other: The role of self-other distinction in sympathetic responding. Personality and Social Psychology Bulletin, 38, 997-1003.
      • Kameda, T., Tsukasaki, T., Hastie, R., & Berg, N. (2011). Democracy under uncertainty: The wisdom of crowds and the free-rider problem in group decision making. Psychological Review, 118, 76-96.
      • Hastie, R., & Kameda, T. (2005). The robust beauty of majority rules in group decisions. Psychological Review, 112, 494-508.
      • Kameda, T., Takezawa, M., & Hastie, R. (2005). Where do norms come from? The example of communal-sharing. Current Directions in Psychological Science, 14, 331-334.
      • Kameda, T., & Nakanishi, D. (2003). Does social/cultural learning increase human adaptability? Rogers’s question revisited. Evolution and Human Behavior, 24, 242-260.
      • Kameda, T., Takezawa, M., & Hastie, R. (2003). The logic of social sharing: An evolutionary game analysis of adaptive norm development. Personality and Social Psychology Review, 7, 2-19.
      • Kameda, T., & Nakanishi, D. (2002). Cost-benefit analysis of social/cultural learning in a non-stationary uncertain environment: An evolutionary simulation and an experiment with human subjects. Evolution and Human Behavior, 23, 373-393.
      • Kameda, T., Ohtsubo, Y., & Takezawa, M. (1997). Centrality in socio-cognitive network and social influence: An illustration in a group decision making context. Journal of Personality and Social Psychology, 73, 296-309.
      • Kameda, T. (1991). Procedural influence in small-group decision making: Deliberation style and assigned decision rule. Journal of Personality and Social Psychology, 61, 245-256.

開催概要

講義内容
私たちヒトは、自分の状態だけではなく、「社会がどのようにあるべきか」に関する高い感受性を持った動物です。この「社会のあり方」に関する高い感受性は、古代ギリシャや中国以来、「社会はどのようにあるべきか」をめぐる政治理念や価値、「正義」、「モラル」として、人々の間で脈々と受け継がれてきました。従来の「正義」、「モラル」に関する論考は、哲学者や倫理学者を中心に、規範的な、「~べき」の観点から行われてきました。しかし、そのような「~べき」に関する論考が、人々の実際の行動(「~である」)とどのように関連するかについては、まだほとんど分かっていません。本講義では、「いかに分けるべきか」という「分配の正義」をテーマに、「~べき」に関する規範的な議論が、人々の実際の行動とどのように関わるのか、さまざまな行動実験、認知実験、脳科学実験のデータをもとに考えていきます。
日時
2016年10月18日(火) 13:30~17:00(13:10より受付開始)
※ 亀田先生のご講義は、15:15~16:45です。
場所
▶ワテラスコモン(御茶ノ水)
(東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地)
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