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応用脳科学アカデミーアドバンスコース「脳と感覚器官」第3回(渡邊先生・小早川先生・大隅先生)

情報を生み出す触覚の知性

講師紹介

渡邊 淳司(わたなべ じゅんじ)先生

  • 渡邊 淳司 写真
    【現職】
    • NTTコミュニケーション科学基礎研究所・主任研究員/ 東京工業大学大学院 総合理工学研究科 特任准教授
    【ご経歴】
    • 2000年東京大学工学部計数工学科 卒業
    • 2005年東京大学大学院 情報理工学系研究科 博士課程修了 博士(情報理工学)
    • 2005年~2009年科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業 個人型研究 (さきがけ)研究員
    • 2009年~2011年日本学術振興会 特別研究員PD
    • 2011年~2013年NTTコミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部 リサーチスペシャリスト
    • 2012年~東京工業大学大学院 総合理工学研究科 物理情報システム専攻 連携講座准教授 (2016年4月より 東京工業大学 工学院 情報通信系 情報通信コース 特任准教授)
    • 2013年~NTTコミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部 主任研究員
  • 【研究概要】

    人間の知覚メカニズム、特に視覚・触覚、及び感覚を表現する言語の研究を行う。また、人間の知覚特性を利用したインタフェース技術を開発、展示公開するなかで、人間の感覚と環境との関係性を理論と応用の両面から研究している。

  • 【主な業績】

    論文

    • ・Maki Sakamoto, Junji Watanabe. (2018). “Bouba/Kiki in Touch: Associations Between Tactile Perceptual Qualities and Japanese Phonemes”. Frontiers in Psychology, Vol. 9:295, doi.org/10.3389/fpsyg.2018.00295
    • ・植月美希、渡邊淳司、丸谷和史、佐藤隆夫、(2017)、「文処理の時間特性を捉える視覚的刺激提示方法とその評価」、 心理学評論 Vol. 60 No. 2 pp. 181-201
    • ・Miki Uetsuki, Junji Watanabe, Hideyuki Ando, Kazushi Maruya. (2017). “Reading Traits for Dynamically Presented Texts: Comparison of the Optimum Reading Rates of Dynamic Text Presentation and the Reading Rates of Static Text Presentation”. Frontiers in Psychology, Vol. 8:1390, doi.org/10.3389/fpsyg.2017.01390
    • ・青木芽衣、渡邊淳司、岩井大輔、佐藤宏介、(2017)、「手へのテクスチャ重畳投影による触質感変調の検討」、映像情報メディア学会誌、Vol. 71 No. 3 pp. J118-J120
    • ・渡邊淳司,加納有梨紗,坂本真樹  “オノマトペ分布図を利用した触素材感性評価傾向の可視化”日本感性工学会論文誌 Vol. 13, No. 2, pp. 353-359, 2014.
    • ・渡邊淳司,黒木忍 “触覚の時空間知覚における姿勢の影響”日本バーチャルリアリティ学会論文誌, Vol. 16, No. 3, pp. 489-498, 2011.
    • ・早川智彦,松井茂,渡邊淳司 “オノマトペを利用した触り心地の分類手法” 日本バーチャルリアリティ学会論文誌, Vol. 15, No. 3, pp. 487-490, 2010.
    • ・Junji Watanabe, Seiichiro Hayashi, Hiroyuki Kajimoto, Susumu Tachi, Shin'ya Nishida“Tactile motion aftereffects produced by appropriate presentation for mechanoreceptors”Experimental Brain Research Vol. 180, No. 3, pp. 577-582, 2007.
    • ・Junji Watanabe, Hideyuki Ando, Taro Maeda, Susumu Tachi “Gaze-contingent Visual Presentation based on Remote Saccade Detection” Presence : Teleoperators and Virtual Environments, Vol.16, No.2, pp. 224-234, 2007.
    • ・Junji Watanabe, Atsushi Noritake, Taro Maeda, Susumu Tachi, Shin'ya Nishida“Perisaccadic Perception of Continuous Flickers” Vision Research, Vol. 45, No. 4, pp. 413-430, 2005.
    展示
    • ・«Haptic TV» オープン・スペース2018 イン・トランジション NTTインターコミュニケーションセンター[ICC]  展示
    • ・【Touch the Invisibles】平成20年度(第12回)文化庁メディア芸術祭 アート部門 優秀賞 受賞
    著作
    • ・【監修・共同翻訳】「ウェルビーイングの設計論 -人がよりよく生きるための情報技術」 (著:ラファエル A. カルヴォ、ドリアン・ピーターズ 翻訳:渡邊淳司、ドミニク・チェン、木村 千里、北川 智利、河邉 隆寛、横坂 拓巳、藤野 正寛、村田 藍子) ビー・エヌ・エヌ新社
    • ・「情報を生み出す触覚の知性 情報社会をいきるための感覚のリテラシー」 化学同人

講義概要

講義内容
触覚は、豊かな質感を持つ世界が実在していることを、実感を持って感じることのできる唯一の感覚です。近年のバーチャルリアリティをはじめとする、情報提示デバイスにおいては、触覚が注目を集めるようになりましたが、触覚は情報を認識するだけでなく、それに存在の実感を付与することができます。本講義では、触覚の知覚特性、そして、触覚を通して質感・実感を感じるための原理について、講師の実践を例としながら概説します。オノマトペを利用した質感の分類や、なぞり動作や錯覚を利用した新たなコミュニケーションチャネルの提案、さらには、触覚を通じた記号接地について述べます。
日時
2018/12/6(木)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※ 渡邊先生のご講義は、13:00~14:20です。
場所
ワテラスコモン
(東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地)
お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。

タイトル「食と香りの脳・行動計測 ―脳を計らず脳を知る―」

講師紹介

小早川 達(こばやかわ たつ)先生

  • 小早川先生 写真
    【現職】
    • 国立研究開発法人 産業技術総合研究所
      人間情報研究部門 人間環境インタラクション研究グループ
      研究グループ長
  • 【ご経歴】
    • 1992年東京大学工学部計数工学科 卒業
    • 1994年東京大学大学院修士課程工学研究科 修了
    • 1994年通商産業省 工業技術院 生命工学工業技術研究所 研究員
    • 1999年博士(工学)取得 (東京大学)
    • 2006年独立行政法人 産業技術総合研究所(改称) 主任研究員
    • 2010年独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(転籍出向) 主任専門員
    • 2011年独立行政法人 産業技術総合研究所(復職) 主任研究員
    • 2015年国立研究開発法人 産業技術総合研究所(改称) 上級主任研究員
    • 2016年国立研究開発法人 産業技術総合研究所 研究グループ長
  • 【研究概要】
    • 専門は計測工学を基にした人間行動計測、脳機能計測。「(実験環境を一から)創って(人間の行動・脳を)計る」カスタムメイド研究を行っている。
  • 【主なご業績】
    • Ogawa, H., Wakita, M., Hasegawa, K., Kobayakawa, T., Sakai, N., Hirai, T., Yamashita, Y., and Saito, S. (2005) Functional MRI detection of activation in the primary gustatory cortices in human. Chemical Senses, 30(7), 583-592.
    • Kobayakawa, T., Saito, S., Gotow, N., and Ogawa, H. (2008) Representation of salty taste stimulus concentrations in the primary gustatory area in humans. Chemosensory Perception, 1(4), 227-234.
    • Kobayakawa, T., Saito, S., and Gotow, N. (2012) Temporal characteristics of neural activity associated with perception of gustatory stimulus intensity in humans. Chemosensory Perception, 5(1), 80-86.
    • Kobayakawa, T. (2014) Functional anatomy of gustatory system. Welge-Lüssen, A., and Hummel, T. (eds), Management of Smell and Taste Disorders: A Practical Guide for Clinicians, ThiemeBooks, Germany.
    • Gotow, N., Kobayashi, T., and Kobayakawa, T. (2013) Retronasal aroma allows feature extraction from taste of a traditional Japanese confection. Flavour, 2(26), 1-9.
    • Gotow, N., Moritani, A., Hayakawa, Y., Akutagawa, A., Hashimoto, H., and Kobayakawa, T. (2015) Development of a time-intensity evaluation system for consumers: Measuring bitterness and retronasal aroma of coffee beverages in 106 untrained panelists. Journal of Food Science, 80(6), S1343-1351.
    • Gotow, N., Moritani, A., Hayakawa, Y., Akutagawa, A., Hashimoto, H., and Kobayakawa, T. (2015) High consumption increases sensitivity to after-flavor of canned coffee beverages. Food quality and preference, 44, 162-171.
    • Matsubasa, T., Gotow, N., Gomi, Y., Kobayakawa, T. (2016) Age-related change in the time course of perceived odor intensity Chemosensory Perception, 9(1), 14-26.
    • Gotow, N., Kobayakawa, T. (2017) Simultaneity judgment using olfactory–visual, visual–gustatory, and olfactory–gustatory combinations. PLOS ONE, 12(4), e0174958.
    • Comparison of temporal profiles among sucrose, sucralose, and acesulfame potassium after swallowing sweetened coffee beverages and sweetened water solutions. N. Gotow, S. Esumi, H. Kubota and T. Kobayakawa: Beverages (Special Issue "Beverage Sensory Modification"), 4(2), 28 (2018).
    • Trial measurement of brain activity underlying olfactory–gustatory synchrony perception using event-related potentials from five female participants. N. Gotow and T. Kobayakawa: Journal of Neuroscience Research (Special Issue "In Focus") (2018).
    • Familiarity and retronasal aroma alter food perception. N. Gotow, W. Skrandies, T. Kobayashi and T. Kobayakawa: Chemosensory Perception (2018).
    • Effect of a warm-up sample on stabilizing the performance of untrained panelists in time–intensity evaluation. N. Gotow, A. Moritani, Y. Hayakawa, A. Akutagawa, H. Hashimoto and T. Kobayakawa: Journal of Sensory Studies, 33(1), e12309 (2018).

開催概要

講義内容
味やニオイを感じると、脳の様々な部位が活動します。今日では、損傷を与えることなくヒトの脳を計測する手法が確立されています。この手法は「非侵襲計測法」と呼ばれ、大きく二つに分類されます。一つ目は、脳波や脳磁場(MEG)といった神経細胞群の活動による電気的変化を捉える手法です。二つ目は、近赤外線分光法(NIRS)や機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)に代表される神経細胞の活動による代謝変化を捉える方法です。MEG計測やfMRIを実施するためには、高価で大掛かりな装置が必要です。一方、価格がこなれており、自力で計測を行う意思がある場合、思いつく手法は脳波計測かも知れません。
味刺激やニオイ刺激を提示した際、最初に活動する脳部位が「一次野」です。快不快や美味しさなどを扱った脳機能計測では、一次野より後の活動に注目が集まります。換言すれば、受容器に受け取られた刺激が一次野に到達するまでの間では、大した情報処理は行われていない、と考えられてきました。しかしながら近年の研究では、一次感覚野も高次機能に関わっていることが報告され始めています。受容器から一次野までの情報伝達経路は、実に単純です。この間に「何か」が起こっているとすれば、自ずと「いつ」「どこで」起こっているかを絞り込むことができます。極端に言えば、脳を計測せずとも、活動部位の特定につながる可能性があり、本講では、ニオイに対する反応時間や味覚・嗅覚の相互作用に関する短潜時成分から脳を語ります。
日時
2018/12/6(木)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※ 小早川先生のご講義は、14:30~15:50です。
場所
ワテラスコモン
(東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地)
お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。

タイトル「脳の発生・発達・維持と脂質栄養」

講師紹介

大隅 典子(おおすみ のりこ)

  • 大隅 典子
    【現職】
    • 東北大学 副学長(広報・共同参画担当)
    • 東北大学 大学院医学系研究科附属創生応用医学研究センター センター長
    • 東北大学 大学院医学系研究科 教授
  • 【ご経歴】
    • 1985年お茶の水女子大学大学院家政学研究科食物学専攻 修了
    • 1989年跡見学園女子大学短期大学部家政科専任講師
    • 1989年農学博士(東京大学)
    • 1996年跡見学園女子大学短期大学部家政科教授
    • 1998年より 東北大学大学院医学系研究科教授(現職)。
    • 2006年東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 特任准教授
    • 2008年東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 特任教授
    • 2004年より 科学技術振興機構CREST「ニューロン新生の分子基盤と精神機能への影響の解明」研究代表者、
      2007年より 東北大学グローバルCOE「脳神経科学を社会へ還流する研究教育拠点」拠点リーダーを務める。
    • 2006年より 東北大学女性研究者育成支援推進室副室長として振興調整費による「杜の都女性科学者ハードリング支援事業」を推進、
      同年、女性研究者育成支援態勢整備の促進に貢献したとして、「ナイスステップな研究者2006」に選定。
  • 【研究概要】

    専門分野:発生生物学、分子神経科学
    現在の主要なテーマ:*脳の発生発達維持の分子機構 *神経新生低下と精神疾患発症の関わり *脳の健康を保つ栄養

  • 【主な業績】

    国際誌原著

    1. Matsuo, T.*, Osumi-Yamashita N.*, Noji, S., Ohuchi, H., Koyama, E., Myokai, F., Matsuo, N.,Taniguchi, S., Doi, H., Iseki, S., Ninomiya, Y., Fujiwara, M., Watnabe, T., & Eto, K.: Amutation of the Pax-6 gene in rat ""small eye"" was associated with migration defect of midbrain crest cells. Nature Genet. 3, 299-304, 1993(*ともに筆頭著者)
    2. Watanabe, A., Toyota, T., Owada, Y. et al.: Fabp7 maps to a quantitative trait locus for a schizophrenia endophenotype. PLoS Biol 5(11), e297, 2007
    3. Tsunekawa, Y., Britto, J.M., Takahashi, M., Polleux, F., Tan, S-S., & Osumi, N. Cyclin D2 in the basal process of neural progenitors is linked to non-equivalent cell fates. EMBO J 31, 1879-1892 (2012).
    4. 他112編

    著書・訳書

    • 「脳からみた自閉症 「障害」と「個性」のあいだ」 (ブルーバックス) 、「心を生みだす遺伝子」(ゲアリー・マーカス著、岩波現代文庫)、「エッセンシャル発生生物学」(ジョナサン・スラッグ著、羊土社)、「脳の発生発達 神経発生学入門」(朝倉書店)、「なぜ理系に進む女性は少ないのか?」(西村書店)、脳の誕生 (ちくま新書) 等多数。

開催概要

講義内容

脳の中には1000億もの神経細胞と、さらにその数倍の数のグリア細胞が存在し、神経機能を営んでいます。このような脳の細胞は「神経幹細胞」というタネの細胞から作られ、大部分は胎児期に生まれますが、例えば海馬の中などでは生涯にわたって神経細胞が産生され続けることが知られています。このような「神経新生」と呼ばれる現象は、遺伝的なプログラムによって支配されていますが、運動、睡眠、栄養のような環境因子によっても左右されます。本講義では、とくに種々の栄養因子が脳の構築や機能にどのように影響するのかについて最新の知見を平易なことばでお話ししたいと思います。例えば「脳細胞はショ糖しか利用できない」という話は本当なのか、「魚を食べると頭が良くなる」のかどうか、是非、講演を聴いてみて下さい。

日時
2018/12/6(木)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※ 大隅先生のご講義は、16:00~17:20です。
場所
ワテラスコモン
(東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地)
お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。
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