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応用脳科学アカデミーアドバンスコース「脳と感覚器官」第2回(寺島先生・坂井先生・朝倉先生)

タイトル「聴覚を理解するための機械学習と計算論的神経科学」

講師紹介

寺島 裕貴(てらしま ひろき)先生

  • 寺島 裕貴 写真
    【現職】
    • NTT コミュニケーション科学基礎研究所 人間情報研究部 感覚共鳴研究グループ 研究員
    【ご経歴】
    • 2003-2004年英国エジンバラ大学 visiting student
    • 2009年    東京大学 理学部 情報科学科 卒業
    • 2011-2014年日本学術振興会 特別研究員(DC1)
    • 2014年  東京大学大学院 新領域創成科学研究科 複雑理工学専攻 博士後期課程修了.博士(科学)
    • 2014年  日本電信電話株式会社 NTT コミュニケーション科学基礎研究所入所、現職
  • 【研究概要】

    研究分野は聴覚を中心とする計算論的神経科学。コンピュータを用いて他分野(視覚など)と行き来しながら、生物の知能を生み出している仕組みの理解を目指している。

  • 【主な業績】

    論文


    • Hiroki Terashima, Masato Okada (2012) The topographic unsupervised learning of natural sounds in the auditory cortex, Advances in Neural Information Processing Systems 25 (NIPS2012): 2321-2329.
    • Hiroki Terashima, Haruo Hosoya (2009) Sparse codes of harmonic natural sounds and their modulatory interactions, Network: Computation in Neural Systems 20(4): 253-267.
    • Hiroki Terashima, Haruo Hosoya, Toshiki Tani, Noritaka Ichinohe, Masato Okada (2013) Sparse coding of harmonic vocalization in monkey auditory cortex, Neurocomputing 103: 14-21.
    • 寺島裕貴 (2014) 脳の画像・音声処理戦略を解き明かすスパースモデリング, 映像情報メディア学会誌 68(12): 897-901.
    • など

    受賞


    • 日本神経回路学会大会奨励賞(2011)
    • 人工知能学会全国大会優秀賞(口頭発表部門) (2011)
    • Organization for Computational Neuroscience Student Travel Award (2010)
    • など
    • 文部科学省 科学技術政策研究所 科学技術動向研究センター 専門調査員
    • 人工知能学会 編集委員会 編集委員
    • 人工知能学会 汎用人工知能研究会 専門委員

講義概要

講義内容
コンピュータを使って聴覚の理解を目指す研究事例を通して、計算論的神経科学の考え方の理解を目指す。

ヒトのような知能を手元の機械で実現するためには、まずヒトの知能を理解する必要があるだろう。しかし、ここでいう「理解」とは何だろうか? 例えば、鳥のように空を飛ぶ機械を作るのに必要なのは、鳥のミクロな生物学的研究だけだろうか。飛行機を作るためには、どのようなレベルでの理解が必要だろうか。脳科学においてこのような視点を提供する分野である計算論的神経科学を、聴覚研究と機械学習研究の接点における実例を交えて紹介したい。理解のレベルを意識すれば、脳科学的知見の実応用もスムーズになる。
日時
2018/11/8(木)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※ 寺島先生のご講義は、13:00~14:20です。
場所
ワテラスコモン
(東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地)
お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。

タイトル「おいしさの認知における脳の働き:脳のトップダウン処理とクロスモダリティ」

講師紹介

坂井 信之(さかい のぶゆき)先生

  • 坂井 信之 写真
    【現職】
    • 東北大学大学院 文学研究科 心理学研究室 教授
    【ご経歴】
    • 1998年大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了(行動神経科学;博士(人間科学))
    • 1998年日本学術振興会特別研究員(認知行動科学;広島修道大学)
    • 2001年科学技術振興事業団科学技術特別研究員(認知神経科学;産業技術総合研究所)
    • 2003年神戸松蔭女子学院短期大学生活科学科専任講師(生活心理学)
    • 2005年神戸松蔭女子学院大学人間科学部准教授(生活行動論)
    • 2011年東北大学大学院文学研究科心理学研究室准教授(応用心理学)
    • 2017年同教授
  • 【研究概要】

    現在の専門は「応用心理学」で、主に人間が商品のどんなところに注目し、購入を決定するか、また、どのようにしてその商品を使い、評価するか、さらにはその商品に対する印象をどのように形成し、次の商品購入の基礎とするかということを心理学/脳科学的に研究している。私の独自性としては、単に机上の理論で進めるのではなく、実際の商品開発やマーケティングの現場で応用できる形にすることだと考えている。

  • 【主なご業績】
    • 主な著書
      • 『子どものための味覚教育』(講談社)
      • 『香りや見た目で脳は騙される 毎日が楽しくなる応用心理学』(かんき出版)
    • 今回の講義に関連する主な論文
      • Cognitvie and contextual factors affecting olfactory and gustatory perception and palatability of beverages. ChemoSense, 11(3), 1-6
      • The psychology of eating from the point of view of experimental, social, and applied psychology. Psychology in Russia: State of the Art, 7(1), 14-22
      • Higher-order conditioning of taste-odor learning in rats: Evidence for the association between emotional aspects of gustatory information and olfactory information. Physiology & Behavior 164(Part A):407-416
      • など

開催概要

講義内容
私たちは食品を舌で味わっているとよく表現しますが、全く間違っています。ましてや食品自体においしさが詰まっているという考えは、人間の行動から考えると、全くナンセンスです。私たちは、過去の経験や食文化に基づいて、食べる前にすでにおいしさを感じているのです。
この講義では、人間が商品のどんなところに注目し、購入を決定するか、また、どのようにしてその商品を使い、評価するか、さらにはその商品に対する印象をどのように形成し、次の商品購入の基礎とするかということを心理学/脳科学の観点から説明します。これらの知識は、食品に限らず、日用品にも適用できますし、宣伝広告やマーケティング戦略の計画立案にも適用できるはずです。
日時
2018/11/8(木)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※ 坂井先生のご講義は、14:30~15:50です。
場所
ワテラスコモン
(東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地)
お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。

タイトル「おいしさの科学ー味と食感の視点からー」

講師紹介

朝倉 富子(あさくら とみこ)先生

  • 朝倉 富子
    【現職】
    • 東京大学 大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 味覚サイエンス研究室 特任教授
  • 【ご経歴】
    • 昭和57年お茶の水女子大学大学院家政学研究科食物学専攻 修了
    • 平成 5年 跡見学園女子大学短期大学部家政科専任講師
    • 平成 8年 農学博士(東京大学)
    • 平成17年跡見学園女子大学短期大学部家政科教授
    • 平成18年跡見学園女子大学マネジメント学部生活環境マネジメント学科 教授
    • 平成19年東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 特任准教授
    • 平成24年東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 特任教授
    • 現在に至る。
  • 【研究概要】

    味と食感に関する研究を食品科学的側面と生体応答の双方から取り組み、両者を結びつけることで、新規食材や食品の創出につなげる研究を目指している。具体的には新規味覚受容体の探索と塩味増強物質の開発、苦味抑制機構の解明と抑制物質の探索などである。食品物性の視点からは、嚥下障害の主たる原因となる脳梗塞発症予防効果を有する食品成分スクリーニングのためのバイオマーカー分子の探索、および嚥下調整食品開発のための飲み込みやすさの客観的評価系の構築などに取り組んでいる。

  • 【主な業績】
    1. 1. Mana Ogawa, Toshitada Nagai, Yoshikazu Saito, Hitonari Miyaguchi,Kei Kumakura, Keiko Abe, Tomiko Asakura*. Short-term mastication after weaning upregulates GABAergic signalling and reduces dendritic spine in thalamus Biochem. Biopys. Res. Commun. 498(3):621-626 (2018)
    2. 2. Mitsuru Tanaka, Akihito Yasuoka, Haruka Yoshinuma, Yoshikazu Saito, Tomiko Asakura and Soichi Tanabe Seasoning ingredients in a medium–fat diet regulate lipid metabolism in peripheral tissues via the hypothalamic–pituitary axis in growing rats Biosci. Biotechnol. Biochem. (2018)
    3. 3. Ayako Takuma, Arata Abe, Yoshikazu Saito, Chikako Nito, Masayuki Ueda, Yoshiro Ishimaru, Hideki Harada, Kazumi Kimura and Tomiko Asakura* Gene Expression Analysis of the Effect of Inchemic Infarction in Whole Blood Int.J.Mol.Sci.18,2335 (2017)
    4. 4. Narisawa T*, Nakajima H , Umino M , Kojima T , Asakura T and Yamada M Volatile Compounds from Japanese Noodles, “Udon,” and their Formation During Noodle-Making J. Food Process. Technol. 8,11(2017.8)
    5. 5. Yuki Kayanuma, Reiko Ueda , Michiko Minami, Arata Abe, Kazumi Kimura, Junko Funaki, Yoshiro Ishimaru and Tomiko Asakura*. A Predictive Model Based on Surface Electromyography to Assess the Easiness of Deglutition of Dysphagia Diets. J. Food Process. Technol.7,604 (2016.7)
    6. 6. Kayoko Ogi, Haruyuki Yamashita, Tohru Terada, Ryousuke Homma, Akiko Shimizu-Ibuka, Etsuro Yoshimura, Yoshiro Ishimaru, Keiko Abe and Tomiko Asakura*. Long-Chain Fatty Acids Elicit a Bitterness-Masking Effect on Quinine and Other Nitrogenous Bitter Substances by Formation of Insoluble Binary Complexes. J. Agric. Food Chem. 63, 8493-8500 (2015)
    7. 7. Keiko Midorikawa, Masaharu Kuroda, Kaede Terauchi, Masako Hoshi, Sachiko Ikenaga, Yoshiro Ishimaru, Keiko Abe and Tomiko Asakura*. Additional nitrogen fertilization at heading time of rice down-regulates cellulose synthesis in seed endosperm. PLoS One 9, 6, e98738 (2014)
    8. 8. Yuko Hisatomi, Kyo Asakura, Kenji Kugino*, Mamoru Kurokawa, Tomiko Asakura, and Keiko Nakata. Changes in brain tissue and behavior patterns induced by single short-term fasting in mice. PLoS One 8, 11, e800857 (2013)
    9. 9. Ryosuke Homma, Haruyuki Yamashita, Junko Funaki, Reiko Ueda, Takanobu Sakurai, Yoshiro Ishimaru, Keiko Abe and Tomiko Asakura*. Identification of Bitterness-masking Compounds from Cheese. J. Agric. Food Chem. 60, 18, 4492-4499 (2012)
    10. 10. 出願番号:PCT/JP2013/078178 公告番号:WO2014061734 A1 発明者:Takanobu Sakurai, Yoichi Kasahara, Mitsuru Tanaka, Keiko Abe, Tomiko Asakura, Haruyuki Yamashita.. 発明名称:Salty taste-enhancing agent and manufacturing method therefor, and salty taste-enhancing method. 公開日:2014年4月24日 出願日:2013年10月17日 特許出願人:Nissin Foods Holdings Co., Ltd.,
    11. 11. 出願番号:PCT/JP2005/001068 公開番号:WO2005/073372A 発明者:Keiko Abe, Tomiko Asakura, Hiroyuki Sorimachi, Tazuko Uenoyama, Ken-ichiro Nakajima, Katsuhiko Kitamoto, Junichi Maruyama, and Mikiya Kishi. 発明名称:Novel taste sensation-modifying peptide NAS, DNA there of and use of the same.  公開日:2005年8月11日 出願日:2005年1月27日 特許出願人:Mitsukan Group Corporation

開催概要

講義内容

食品の二次機能(嗜好性)は摂食行動を決定する要因であり、五感すべてで判断されるおいしさは、その後の消化吸収に影響を与える。高齢化による咀嚼・嚥下機能の低下などの摂食障害は、低栄養の原因ともなり、摂食を促進する嗜好性は、重要な因子としてさらに注目されるようになってきた。本講義では、味の伝わる仕組みのうち、末梢における味シグナルの認知とそれを応用した味覚修飾物質の探索などを紹介するとともに、味の持続性や成分間相互作用による呈味性の変化についても言及する。
 塩の過剰摂取は、高血圧、心血管疾患、胃がんなどの疾病リスクを増大することが問題とされ、減塩の必要性が高まってきているが、単に塩を低下させるだけの減塩は、食品の呈味性を著しく低下させる。塩味(NaCl)の完全な代替物が存在しないことから、塩味増強物質に期待が寄せられている。塩味受容体候補分子の活性化剤スクリーニング例について示す予定である。
 口腔は消化吸収の最初のステップである。食物を噛み砕き、嚥下により次の消化器官へと食塊を送る。高齢化に伴い、咀嚼能力、嚥下能力は衰える。とくに誤嚥性肺炎は大きな社会問題になっていて、これらを補うための食品創出には様々な工夫が必要である。飲み込みやすさを客観的に評価する方法や酵素を用いた食材開発などの取り組みを紹介する。

日時
2018/11/8(木)13:00~17:30(12:40より受付開始)
※ 朝倉先生のご講義は、16:00~17:20です。
場所
ワテラスコモン
(東京都千代田区神田淡路町2丁目101番地)
お問い合わせ先
本アカデミーに関するご質問等は、応用脳科学コンソーシアム事務局ホームページの ▶お問い合わせフォームより、お問い合わせください。
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