NTT DATA Global IT Innovator
NTTデータ経営研究所
English  お問い合わせ  サイトマップ
戻る サイト内検索
戻る

2014年9月24日

熱帯雨林保護による生物多様性・気候変動オフセット

NTTデータ経営研究所のプログラムをコープネット事業連合が国内で初めて導入

株式会社NTTデータ経営研究所

 NTTデータ経営研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:佐々木 康志、以下 当社)は、昨年(2013年)10月に立ち上げた国内初の「生物多様性・気候変動オフセットプログラム」(Biodiversity & Climate Offset Program)を通じ、国内で初めてコープネット事業連合(本部:埼玉県さいたま市、代表理事:赤松 光)へ生物多様性・気候変動オフセットクレジットの提供を開始しました。


 「生物多様性・気候変動オフセットプログラム」(Biodiversity & Climate Offset Program)とは、当社がInfinite Earth社(香港)注1 と共同で開発した、インドネシア・ボルネオ島・中央カリマンタンにおける熱帯雨林伐採の進行を食い止める世界最大のREDD注2 プロジェクト(正式名称:The Rimba Raya Biodiversity Reserve REDD Project)から創出されるREDD排出量クレジットを活用して、企業の事業活動などによる温室効果ガス排出量をカーボン・オフセット 注3 する取り組みです。
 従来のカーボン・オフセットプログラムにおいては、温室効果ガス排出量のオフセットのみを目的としていましたが、新たなプログラムでは、クレジットの購入により温室効果ガス排出量のオフセットのみならず、生物多様性保全やコミュニティ支援を同時に実現できる仕組みであることが最大の特徴となっています。

 コープネット事業連合では、2008~2013年において、京都議定書に基づくCDMプロジェクトによる京都クレジットを活用し、2008年以降に新設した店舗および施設におけるエネルギー使用による温室効果ガス排出量約5万トンを全量カーボン・オフセットすることにより2008年レベルの排出量を維持してきましたが、2014年以降は、温室効果ガス削減効果のみならず、京都クレジットでは担保できない「生物多様性保全」や「コミュニティ支援」の便益を有する付加価値の高い、REDDクレジットを活用してカーボン・オフセットを2020年まで継続していくこととしました。
 コープネット事業連合では、今後も、途上国の持続可能な社会作りに貢献するプロジェクトに支援につながる「生物多様性・気候変動オフセットプログラム」を積極的に活用しながら、新たなオフセットの内容を組合員に広く理解していただくための活動も進めていきます。

【プロジェクト実施の背景】

 ボルネオ島の熱帯雨林は、スワム(Swamp)と呼ばれる湿地帯に覆われ、CO2を大量に固定する泥炭(ピート)層が厚く堆積する、世界で他に類を見ない特徴を有しています。インドネシアでは、近年、パームオイルの製造を目的としたパーム椰子の植林などによる熱帯雨林の伐採が加速、毎年、ベルギーの国土面積相当の熱帯雨林が伐採されており、このまま伐採が続けば、2022年にはインドネシアの熱帯雨林は消滅すると考えられています。
 ボルネオ島の熱帯雨林の伐採が進むと、数百にのぼる貴重な種の多様性が破壊されるだけではなく、スワム(Swamp)の水が排水され、泥炭(ピート)層が地表に露出することにより、泥炭(ピート)層に固定されているCO2が数十年の年月をかけて大量に大気に放出されます。世界の温室効果ガス排出量の約10%が熱帯雨林の伐採によるものとされていますが、泥炭(ピート)層に固定されているCO2の量は、熱帯雨林そのものに固定されている量の約10倍に相当しており、加速するインドネシアにおける熱帯雨林の伐採は、世界の温室効果ガス排出量にも非常に大きな影響を及ぼしています。また、熱帯雨林の伐採の加速による河川の環境変化により漁獲量が減少し、熱帯雨林に暮らす住民は、従来の漁業による生計が営めなくなり、代々、生きるための恵みを得てきた熱帯雨林を、自ら伐採することによって現金収入を得る道を選択せざるを得ない状況に陥っています。

「熱帯雨林伐採による生態系への影響イメージ」

熱帯雨林伐採による生態系への影響イメージ

【プロジェクト概要】

 当社の「生物多様性・気候変動オフセットプログラム」(Biodiversity & Climate Offset Program)は、インドネシア・ボルネオ島・中央カリマンタンにおいて、6万4千ヘクタールの熱帯雨林を30年間(2009~2038年)にわたり保護することにより、「生物多様性保全」、「温室効果ガス排出回避」さらには「コミュニティ支援」を実現していきます。プロジェクトの便益については、「生物多様性保全」および「コミュニティ支援」の便益については、CCBS(Climate, Community & Biodiversity Standard)注4、「温室効果ガス排出回避」の便益についてはVCS(Verified Carbon Standard)注5 の認証をそれぞれ取得しており、プロジェクトの効果については、第三者検証機関の厳しい評価により担保されています。

【プロジェクトの3つの便益】

① 「生物多様性保全」については、熱帯雨林を保護することにより、多くの種の生態系保全を可能としますが、(プロジェクト対象地域では、300種の鳥、122種の哺乳類、180種の樹種が生息)ボルネオ島が絶滅危惧種であるオランウータンの世界で唯一の生息地であることから、ボルネオ島において40年間の長きにわたりオランウータンの保護活動に取り組んでいる、世界的に著名な女性人類学者Dr. Birute Galdikas注6 の支援を柱としており、本プロジェクトは、オランウータン保護を支援する世界唯一のREDDプロジェクトであります。

「オランウータン保護センターで保護・育成されるオランウータン」

オランウータン保護センターで保護・育成されるオランウータン

② 「温室効果ガス排出回避」については、6万4千ヘクタールの熱帯雨林を30年間保護することによる温室効果ガス排出回避量は、約1億トンと推計されており、世界最大のREDDプロジェクトです。温室効果ガス排出回避効果については、VCSによりVCU(Verified Carbon Unit)としてクレジット化され、これを企業などに売却することによりプロジェクト運営や支援活動の資金とする仕組みです。

③ 「コミュニティ支援」については、プロジェクトに対象となる6万4千ヘクタールの熱帯雨林に点在する10のコミュニティへ、セラミック浄水器や省エネ型薪調理器の無償配布、集会所の建設、再植林用の苗木栽培技術指導およびプロジェクトによる苗木の買い取りなど、コミュニティの保健衛生環境の向上や、熱帯雨林伐採に依らない自立化支援を行っています。

「コープネットとコミュニティとのダイアログ」

コープネットとコミュニティとのダイアログ

「プロジェクトの全体スキーム」

プロジェクトの全体スキーム

(注1)Infinite Earth社
 米国人によるベンチャー企業(香港に登記)。世界初のREDDプロジェクトの方法論をVCSにて確立。
URL: http://www.infinite-earth.com/

(注2)REDD(Reduced Emissions from Deforestation and forest Degradation)
 森林伐採や劣化を回避することにより森林や地層に固定されている温室効果ガスの排出を食い止めるプロジェクト。新たな国際的温室効果ガス削減の枠組みとして国連などによる導入が検討されています。現状において、国連におけるREDDの方法論は確立されていませんが、自主的温室効果ガス削減プロジェクトの方法論を策定するVCS (Verified Carbon Standard)によりREDDの方法論が確立されており、ケニア、コンゴ、カンボジア、ペルーにおいて既にREDDプロジェクトが開始されています。

(注3)カーボン・オフセット
 直接的な施策によって削減できないCO2を、森林吸収源を守る植林やクリーンエネルギーなどの事業に投資することなどにより、排出した分を相殺(オフセット)する仕組みです。

(注4)CCBS(Climate, Community & Biodiversity Standard)
 CARE, Conservation International, The Nature Conservancy, Rainforest Alliance, Wildlife Conservation Societyが 2003年に設立したNGOであるThe Climate, Community & Biodiversity Alliance (CCBA)により策定された、プロジェクトの環境・社会性便益を評価するスタンダード。2012年よりVCSとREDDプロジェクトの共同プロジェクト認証を開始しています。
URL: http://www.climate-standards.org/

(注5)VCS(Verified Carbon Standard)
 The Climate Group, International Emissions Trading Association(IETA), World Economic Forumにより、2005年に設立されたNGO。自主的排出権クレジット方法論策定や、自主的排出権クレジットVCU(Verified Carbon Unit)の発行・管理を行っています。VCUは英・米・仏に開設されるレジストリ(登録簿)において、京都クレジットと同様に1トン単位でシリアルナンバーが付され、電子的に発行・管理されています。VCSは、自主的排出権クレジット発行量、登録プロジェクト数において世界最大となります。
URL: http://www.v-c-s.org/

(注6)Dr. Birute Galdikas (ビルーテ・ガルディカス博士)
 20代において、オランウータンの生態系の研究のためボルネオ島に単身で移住し、現在に至るまで40年間にわたり、オランウータンの保護活動を続けている世界的に著名な人類学者。オランウータン保護基金であるOrangutan Fund International (OFI)の設立者。2011年には、ワーナー・ブラザースによる3Dドキュメンタリー映画 “Born to be wild”によりその活動が取り上げられ、米国、カナダにおいて上映されました。
URL: http://www.orangutan.org/

※ 掲載の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。


【本件に関するお問い合わせ先】

■ 報道関係のお問い合わせ
株式会社NTTデータ経営研究所
コーポレート統括部 プラクティスサポート部
井上
Tel:03-5213-4016(代)
E-mail :



■内容に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ経営研究所
社会・環境戦略コンサルティングユニット
大塚
Tel:03-5213-4150(代)