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調査概要

  1. 調査対象: gooリサーチ(*1)登録モニター
  2. 調査方法: 非公開型インターネットアンケート
  3. 調査期間: 2012年9月18日~2012年9月24日
  4. 有効回答者数: 1,029人
  5. 標本設計: 従業員規模300名以上、経営者・役員クラスを含む雇用者(正社員)、20歳以上のホワイトカラー職種を対象
  6. 回答者企業(*2)の属性:

    <従業員数>
    全体 1,029人 100.0%
    300人~499人 211 20.5
    500人~999人 218 21.2
    1,000人~2,999人 207 20.1
    3,000人~4,999人 189 18.4
    5,000人以上 204 19.8

    <業種>
    全体 1,029人 100.0%
    農林水産 5 0.5
    鉱業・電気・ガス・水道・その他のエネルギー 15 1.5
    建設・土木・工事・プラント 43 4.2
    不動産 20 1.9
    製造 310 30.1
    運輸・倉庫・郵便業 32 3.1
    商業・卸売・小売 98 9.5
    飲食店 11 1.1
    金融・保険・投資、共済 94 9.1
    通信・IT関連サービス 230 22.4
    その他のサービス 86 8.4
    新聞・出版・放送 7 0.7
    保健・医療・福祉関連 19 1.8
    学校・教育 32 3.1
    研究開発・研究機関 0 0.0
    政府・地方公共団体・各種法人・団体等 0 0.0
    その他 27 2.6

【補足】
(*1) 「gooリサーチ
NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが企画・実査・集計を行う、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービス。gooリサーチの厳しい管理基準をクリアした「gooリサーチ・消費者」モニター(71.8万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(8.8万人)、携帯電話でアンケートに答える「gooリサーチ・モバイル」モニター(14.6万人)を含め、延べ98.8万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数は2012年11月現在)
(*2)回答者企業の属性は、回答者のアンケート上の自己申告に基づいている。
(*3)回答の構成比は小数第2位を四捨五入しているため、各構成比の合計は100%にならない場合がある。




調査結果




1. ソーシャルメディアの導入状況

ソーシャルメディアの導入状況では、導入済みの企業が全体の約2割であり、企業活動におけるソーシャルメディア活用はまだ黎明期にある。現時点ではBtoCの企業での導入が先行しているが、BtoBの企業でも導入に前向きな回答割合が高いことから、今後BtoB企業での導入拡大が期待される。

販売チャネルとの関係では、バーチャルなWebサイト(ECサイト)との親和性が高いことはもちろんのこと、リアルの実店舗を保有する企業でのソーシャルメディア活用が進んでおり、O2Oを意識した取組みも広がりつつあることがうかがえる。

顧客チャネル(コミュニケーションチャネル)との関係では、双方向性のある「自社ブログ」の機能拡張として活用するケース、認知性の高い「Push型チャネル」を補完する形で自社ブランドへのエンゲージメント強化の手段として活用するケースが多い。また、コールセンターや店舗などの「Pull型チャネル」を補完する形で、顧客接点の拡大を図るケースもある。

導入目的は、「売上拡大」、「顧客ニーズ等のマーケティングリサーチの高度化」、「ブランド力強化」、「顧客満足度の向上」、「顧客との長期的な関係の構築」など多方面にわたっており、マーケティングプロセスのさまざまな過程でソーシャルメディア活用に取り組んでいることが分かる。

その結果として、ソーシャルメディア導入を「成功した(成果が得られた)」と捉えている企業は全体の3割強であり、残りの6割強は「失敗した(成果が出ていない)」と捉えていることから、現状、さまざまな課題を抱えており、有効に機能していないといえる。

1.1 ソーシャルメディアの現時点の導入状況

  • ソーシャルメディア導入の実態としては、導入済み企業が全体の約2割、未導入かつ今後も導入を検討していない企業が全体の約6割を超え、企業におけるソーシャルメディアの活用は黎明期にある。
  • 業種別にみると、BtoCの企業は既に導入が進んでおり、BtoBの企業は現時点での導入は少なく、今後導入が進むことが予想される。
  • 販売チャネルとして、Webサイト(ECサイト)との親和性が高いだけでなく、O2O(Online to Offline)の潮流に即して実店舗を保有する場合にもソーシャルメディア導入が進んでいる。
  • ソーシャルメディア以外の他の顧客チャネル(コミュニケーションチャネル)を保有している場合には、ソーシャルメディアを導入する傾向が高く、クロスメディアの活用が進んでいる。
1.1.1 ソーシャルメディアの導入段階
  • ソーシャルメディアを導入済みの企業は約21%、導入に前向きな企業は約14%。導入に消極的な企業は約64%。

「ソーシャルメディアの導入状況はどのような段階ですか?」と尋ねたところ、「導入している(1年以上前)」「導入している(1年未満)」は合計21.4%。「導入予定」「導入を検討している」と回答した企業は合計14.2%であった。一方で、「導入を検討していない」「既にやめた」と回答した企業は合計64.3%であった。【図表1.1.1】

グラフ

【図表1.1.1】ソーシャルメディアの導入段階 [%]
1.1.2 業種別の導入有無
  • 現時点でBtoC企業での導入が先行している(導入済みが約3割)が、BtoB企業でも導入済みあるいは導入に前向きな企業は約3割にのぼる。

「ソーシャルメディアの導入状況はどのような段階ですか?」と尋ねた結果をBtoC/BtoBといった業種別に集計した結果が【図表1.1.2】である。

業種別のソーシャルメディア導入段階でみると、BtoC企業のソーシャルメディア導入済みという回答の割合は、33%に達する一方、BtoB企業では14%に過ぎず、BtoC企業でソーシャルメディアの導入が先行していることが分かる。しかし、導入に前向きな回答(「導入予定」&「導入を検討している」)については、BtoC企業で17%、BtoB企業で13%と、BtoCとBtoBが拮抗している。すなわち、まずBtoC企業で導入が先行したが、今後BtoB企業でも導入が進むことが予想される。

グラフ

【図表1.1.2】業種別のソーシャルメディアの導入段階 [%]
1.1.3 保有販売チャネル別の導入有無
  • 販売チャネルとして「Webサイト(ECサイト)」、「他社店舗」、「自社店舗」、「カタログ販売」を保有している企業では、ソーシャルメディアを導入している割合が3割程度。バーチャルなWebサイト(ECサイト)との親和性が高いことはもちろん、リアルの実店舗を保有する企業でのソーシャルメディア活用が進んでおり、O2Oを意識した取組みも広がりつつあることがうかがえる。

「ソーシャルメディアの導入状況はどのような段階ですか?」と尋ねた結果を企業が保有する販売チャネル別に集計した結果が【図表1.1.3】である。

Webサイト(ECサイト)を保有している企業では、導入済みの企業の割合が36%と他の販売チャネルを保有する場合に比べて最も大きい。次に導入済み企業の割合が大きいのが他社店舗(代理店含む)の約33%で、自社店舗の場合も約29%と比較的大きい割合を示していることから、バーチャルのWebサイトだけでなく、リアルの店舗を保有する企業でもソーシャルメディアの導入が進んでいるといえる。

また、カタログ販売を保有している企業でも導入済み企業の割合が30%と比較的高い。

グラフ

【図表1.1.3】保有販売チャネル別のソーシャルメディアの導入段階 [%]
1.1.4 保有顧客チャネル別の導入有無
  • ソーシャルメディア以外の顧客チャネル(コミュニケーションチャネル)を保有している企業のうち、双方向性の高い「公式ブログ」を保有する企業においてソーシャルメディアを導入済みの企業の割合が高い(約7割)。また、認知性の高いPush型の情報発信媒体(「他社提供の情報サイト」、「テレビ、新聞等のマスメディア」)を保有する企業においてソーシャルメディアを導入済みの企業の割合が高い(約4割)。一方、Pull型メディア(「公式サイト」、「店舗」、「コールセンター、サポートセンター」)でも、3割程度が導入に前向き。
  • Push型、Pull型、双方向型のトリプルメディアを組み合わせて、クロスメディア戦略を推進しようとする傾向がうかがえる。

「ソーシャルメディアの導入状況はどのような段階ですか?」と尋ねた結果を企業が保有する顧客チャネル別に集計した結果が【図表1.1.4】である。

双方向のメディアである「公式ブログ」を保有する企業では、69%が導入済みであり、顧客との双方向のコミュニケーションをより充実させるためにソーシャルメディアの活用が進んでいることがうかがえる。また、認知性の高いPush型のメディアである「他社提供の情報サイト」や「テレビ、新聞等のマスメディア」に関しては、39%が導入済みであり、今後の導入予定を含めて約4割が導入に前向きであることから、「認知」だけでなく「共感」、「拡散」を行うソーシャルメディアとの連携によって既存チャネルを補完する形での活用意向が高いことがうかがえる。加えて、自社で情報をコントロール可能なPull型メディアである「公式HP」、「店舗」、「コールセンター、サポートセンター」についても、導入済みあるいは導入に前向きな企業が3割程度存在しており、顧客との接点をより拡大していくことで、情報伝達力、顧客満足度を高めようとの意図が垣間見える。

グラフ

【図表1.1.4】保有顧客チャネル別のソーシャルメディアの導入段階 [%](複数選択)

1.2 ソーシャルメディアの導入目的と今後の導入意向

  • ソーシャルメディアの導入目的は、「売上拡大」、「顧客ニーズ等のマーケティングリサーチの高度化」、「ブランド力強化」、「顧客満足度の向上」、「顧客との長期的な関係の構築」など多方面にわたっており、単なる広告・宣伝の手段だけでなく、マーケティングプロセスのさまざまな過程でソーシャルメディア活用に取り組んでいることが分かる。今後の導入意向についても、同様に幅広いニーズが見られる。

「どのような目的で、ソーシャルサービスを利用していますか?」と尋ねた結果と、「今後、どのような目的で、ソーシャルサービスを利用したいですか?」と尋ねた結果を目的別割合で集計した結果が【図表1.2】である。

ソーシャルメディアの導入目的として、「売上拡大(販売促進)」が12.9%と最も多い。次に、「新たな付加価値の創出」の10.5%、「口コミによる情報拡散」の10.4%、「ブランド力強化」の10.0%が続く。しかし、他の選択肢の回答との差は小さく、「顧客ニーズ等のマーケティングリサーチの高度化」、「評判上のリスク対策」、「顧客対応業務の効率化」、「顧客満足度の向上」、「顧客との長期的な関係の構築」などもそれぞれ9%程度の回答があった。

ソーシャルメディアの導入意向として、「売上拡大(販売促進)」が11.2%と最も多い。次に、「口コミによる情報拡散」の10.7%、「新たな付加価値の創出」の10.3%、「ブランド力強化」の10.0%が続く。しかし、他の選択肢の回答との差は小さく、「顧客ニーズ等のマーケティングリサーチの高度化」、「評判上のリスク対策」、「顧客対応業務の効率化」、「顧客満足度の向上」、「顧客との長期的な関係の構築」などもそれぞれ9%程度の回答があった。

グラフ

【図表1.2】ソーシャルメディアの導入目的と今後の導入意向 [%](複数選択)

2. ソーシャルメディアの成功/失敗の要因

ソーシャルメディア導入の主な成功要因は、「機会を逃さない迅速な意思決定」、「複数組織による緊密な連携・共同運用」、「クロスメディア戦略の実行」、「顧客データ連携システム(ソーシャルCRM)の構築」、「業務プロセス・意思決定プロセスの改定」、「ガイドライン・ルールの策定」、「適切な研修・訓練の実施」、「専門的な外部人材の活用」などである。

ソーシャルメディア導入の主な失敗要因は、「ソーシャルメディアの特性を十分理解できず、適切な戦略を立案できなかった」、「知識・ノウハウを持っている社員がいない」、「ソーシャルメディアの特性に反して、事前・事後のチェック機能を強化した」などである。

したがって、ソーシャルメディアを活用したマーケティングモデルの設計に当たっては、単なるメディア活用という枠を超えて、メディアの特性を理解したマーケティングモデル全体の再構築が要件となるといえる。

2.1 ソーシャルメディア導入済み企業自身が考える成功/失敗の要因

  • ソーシャルメディア導入にあたって、成功した企業は約35%、失敗した企業は約65%。
  • 主な成功要因としては、「導入のタイミングが良かったから」、「関連部署間の連携を緊密に行ったから」、「知識・ノウハウを持っている社員がいたから」、「業務プロセス・意思決定プロセスを改定したから」であった。
  • 主な失敗要因としては、「ソーシャルメディアの特性を十分理解できず、適切な戦略を立案できなかったから」、「知識・ノウハウを持っている社員がいないから」であった。一方で、「分からない/まだ効果が出る時期でない」という回答も目立った。
2.1.1 ソーシャルメディア導入の成果
  • ソーシャルメディア導入にあたって、成功した企業は約35%、失敗した企業は約65%。1

ソーシャルメディア導入済みの企業において、「ソーシャルメディアの導入によって、当初目的の成果が得られましたか?」と尋ねたところ、成功(「期待を上回る成果が得られた」「期待通りの成果が得られた」)した企業は34.4%であった。一方で、失敗(「一定の成果は得られたが、期待どおりとは言えない」「成果はほとんど出ていない」)した企業は65.6%であった。【図表2.1.1】

グラフ

【図表2.1.1】ソーシャルメディアの当初目的に対する成果 [%]

【成功/失敗の定義】
成功:「期待を上回る成果が得られた」「期待通りの成果が得られた」
失敗:「一定の成果は得られたが、期待どおりとは言えない」「成果はほとんど出ていない」

2.1.2 ソーシャルメディア導入成功の要因
  • 各企業が考えるソーシャルメディア導入成功の主な要因は、「導入のタイミングが良かったから」、「関連部署間の連携を緊密に行ったから」、「知識・ノウハウを持っている社員がいたから」、「業務プロセス・意思決定プロセスを改定したから」であった。

ソーシャルメディア導入成功と回答した企業において、「どのような理由で成果が表れたとお考えですか?」と尋ねた結果が【図表2.1.2】である。

成功の要因として一番多かったのが、「導入のタイミングが良かったから」35.5%であった。次いで「関連部署間の連携を緊密に行ったから」31.6%、「知識・ノウハウを持っている社員がいたから」31.6%、「業務プロセス・意思決定プロセスを改定したから」30.3%が続く。【図表2.1.2の①】

一方、2.1.3.のソーシャルメディア導入失敗の最大要因と各企業が考えている回答の裏返しである「ソーシャルメディアの特性を十分理解し、適切な戦略を立案できたから」は22.4%で全体の6番目であった。【図表2.1.2の②】

グラフ

【図表2.1.2】各企業が考えるソーシャルメディア導入成功の要因 [%](複数選択)
2.1.3 ソーシャルメディア導入失敗の要因
  • 各企業が考えるソーシャルメディア導入失敗の主な要因は、「ソーシャルメディアの特性を十分理解できず、適切な戦略を立案できなかったから」、「知識・ノウハウを持っている社員がいないから」であった。一方で、「分からない/まだ効果が出る時期でない」という回答も目立った。

ソーシャルメディア導入失敗と回答した企業において、「期待どおりの成果が得られなかった原因は何ですか?」と尋ねた結果が【図表2.1.3】である。

失敗の要因として一番多かったのが、「ソーシャルメディアの特性を十分理解できず、適切な戦略を立案できなかったから」が31.0%であった。【図表2.1.3の①】

成功した各企業が回答した成功要因の裏返しである「導入のタイミングが悪かったから」や「関連部署間の連携を不十分だから」、「知識・ノウハウを持っている社員がいないから」、「業務プロセス・意思決定プロセスが変更されていないから」の4つのうち、「知識・ノウハウを持っている社員がいないから」22.1%以外の3つは多数回答ではなかった。【図表2.1.3の②】

また、一方で「分からない/まだ効果が出る時期でない」24.8%と、時期尚早であり十分に評価する導入期間でないとする企業の回答も目立った。【図表2.1.3の③】

グラフ

【図表2.1.3】各企業が考えるソーシャルメディア導入失敗の要因 [%](複数選択)

2.2 ソーシャルメディアの成功/失敗と保有チャネルとの関連性

  • ソーシャルメディアの成功/失敗は、ソーシャルメディアと他の顧客チャネルとの間における関係整理や、顧客データの連携有無で決まる。(成功企業は関係整理を明確にし、顧客データを連携している)
2.2.1 ソーシャルメディアの成功/失敗と他の顧客チャネルとの関係整理有無との関連性
  • ソーシャルメディア導入による成功/失敗は、ソーシャルメディアと他の顧客チャネルとの関係整理と関連する。
  • 成功している企業は、ソーシャルメディアと他の顧客チャネルとの役割を明確に整理し、相乗効果や補完する形で活用している。失敗している企業はその逆である。

2.1.1にあるようにソーシャルメディア導入の成功/失敗の企業に対して、「他の顧客チャネルとソーシャルメディアの関係をどのように整理していますか?」と尋ねた集計結果が【図表2.2.1-1】【図表2.2.1-2】である。これらは、成功/失敗ごとに企業がソーシャルメディアと他の顧客チャネルとの関係性を割合で示したものである。

成功している企業は、「他の顧客チャネルとソーシャルメディアを連携させることで相乗効果を狙っている」50%、「他の顧客チャネルでは対応できなかった課題を解決するためにソーシャルメディアを導入している」28%という結果であった。つまり、成功している企業の約8割近くが、ソーシャルメディアと他の顧客チャネルとの間の関係性を明確に整理している。残り約2割の企業は、「他の顧客チャネルとソーシャルメディアの関係は、特に整理していない」9%、「他の顧客チャネルを利用していない」13%という結果であった。【図表2.2.1-1】

失敗している企業は、「他の顧客チャネルとソーシャルメディアを連携させることで相乗効果を狙っている」33%、「他の顧客チャネルでは対応できなかった課題を解決するためにソーシャルメディアを導入している」13%という結果であった。

一方で、「他の顧客チャネルとソーシャルメディアの関係は、特に整理していない」28%、「他の顧客チャネルを利用していない」26%という結果であった。【図表2.2.1-2】

グラフ

【図表2.2.1-1】成功(「期待を上回る成果が得られた」「期待通りの成果が得られた」)
と回答した企業におけるソーシャルメディアと顧客チャネルとの関係認識 [%]
グラフ

【図表2.2.1-2】失敗(「一定の成果は得られたが、期待どおりとは言えない」「成果はほとんど出ていない」)
と回答した企業におけるソーシャルメディアと顧客チャネルとの関係認識 [%]
2.2.2 ソーシャルメディアの成功/失敗と顧客データの連携度合いとの関連性
  • ソーシャルメディア導入による成功/失敗は、ソーシャルメディアと顧客チャネル間の顧客データとの連携度合いと関連する。
  • 成功している企業の約9割は、ソーシャルメディアと他の顧客チャネルとの顧客データをシステム的に連携、もしくは非システム的に連携する形で活用している。失敗している企業も約6割近くは同様に顧客データを連携しているものの、残りの約4割以上は連携する取組みを実施していない。

2.1.1にあるようにソーシャルメディア導入の成功/失敗の企業に対して、「他の顧客チャネルで収集した顧客データと、ソーシャルメディアで収集した顧客データを連携させていますか?」と尋ねた集計結果が【図表2.2.2-1】【図表2.2.2-2】である。これらは、成功/失敗ごとに企業がソーシャルメディアと他の顧客チャネル間の顧客データの連携有無との関係性を割合で示したものである。

成功している企業は、「システムを統合し、データ連携させている」55%、「システムは別体系だが、分析結果を突き合わせて戦略立案に役立てている」32%という結果であった。つまり、成功している企業の約9割近くが、ソーシャルメディアと他の顧客チャネルとの間で顧客データを連携させて活用している。残り約1割超の企業は、「両者の情報を連携させる取組みは実施していない」13%という結果であった。【図表2.2.2-1】

失敗している企業は、「システムを統合し、データ連携させている」23%、「システムは別体系だが、分析結果を突き合わせて戦略立案に役立てている」35%という結果であった。一方で、「両者の情報を連携させる取組みは実施していない」は42%という結果であった。つまり、失敗している企業の4割以上は、ソーシャルメディアと他の顧客チャネルとの間で顧客データを連携させる取組みを特に実施していない。【図表2.2.2-2】

グラフ

【図表2.2.2-1】成功(「期待を上回る成果が得られた」「期待通りの成果が得られた」)と回答した企業における
ソーシャルメディアと顧客チャネル双方の顧客データの連携度合い [%]
グラフ

【図表2.2.2-2】失敗(「一定の成果は得られたが、期待どおりとは言えない」「成果はほとんど出ていない」)と回答した企業におけるソーシャルメディアと顧客チャネル双方の顧客データの連携度合い [%]

2.3 ソーシャルメディアの成功/失敗と測定指標との関連性

  • ソーシャルメディア導入による成功/失敗と、測定するための指標との関連性はあると考えられる。
  • 成功している企業は、経営視点での戦略的な指標で管理している傾向があり、失敗企業は、クリック数などの実務的な指標のみで管理している傾向がある。
  • ただし、アンケートでは、「成功」「失敗」の定義を明確にせずに質問したため、指標の設定自体が回答者の「成功」「失敗」の認識を左右している可能性がある点に留意が必要である。

2.1.1にあるようにソーシャルメディア導入の成功/失敗の企業に対して、「ソーシャルメディアの導入による成果を測定するために、どのような指標を採用していますか?」と尋ねた集計結果が【図表2.3】である。

成功している企業は、「売上高、利益率などの業績管理指標」が18.2%と最も多く、次いで「好感度、検索ランキング、関連報道数などのブランド管理指標(15.5%)」、「来客数、販売数などの販売管理指標(14.4%)」という結果であった。

失敗している企業は、「アクセス数、クリック数、インターアクション数などのWebサイトのフロー情報(25.6%)」、「ファン数、フォロワー数などのWebサイトのストック情報(21.5%)」が中心で、経営や業績に直結するような指標を測定しているところは多くない。

グラフ

【図表2.3】ソーシャルメディアの導入効果の測定指標割合 [%](複数選択)

2.4 ソーシャルメディアの成功/失敗と運用組織との関連性

  • ソーシャルメディア導入による成功/失敗と、組織間連携との関連性は高い。
  • 成功している企業は、ソーシャルメディアの運用は複数組織にまたがった組織体系であり、組織間の連携を行っている。
  • 組織間連携を実現するレベルの意思決定として、部門長レベル以上の意思決定を行うことが成功する要因の一つと考えられる。
2.4.1 ソーシャルメディアの成功/失敗と運用組織体系との関連性
  • ソーシャルメディア導入による成功/失敗は、ソーシャルメディア運用組織体系と関連する可能性がある。
  • 成功している企業の中で特に「期待を上回る成果が得られた」とする企業の85%は「複数組織による共同運用」であった。

2.1.1にあるようにソーシャルメディア導入の成功/失敗の企業に対して、「ソーシャルメディアの運用にあたって、どのような組織体制を構築していますか?」と尋ねた集計結果が【図表2.4.1-1】【図表2.4.1-2】【図表2.4.1-3】【図表2.4.1-4】である。これらは、「期待を上回る成果が得られた」「期待通りの成果が得られた」「一定の成果は得られたが、期待どおりとは言えない」「成果はほとんど出ていない」ごとにソーシャルメディアの運用にあたっての組織体系との関係性を割合で示したものである。

「期待を上回る成果が得られた」とする企業の85%は、「複数組織による共同運用」であった。【図表2.4.1-1】
残り3つの成果に関しては、いずれも同じ傾向で「複数組織による共同運用」が約4割程度、「単一組織による運用」が約5割~約6割であった。【図表2.4.1-2】【図表2.4.1-3】【図表2.3.1-4】

グラフ

【図表2.4.1-1】「期待を上回る成果が得られた」
グラフ

【図表2.4.1-2】「期待通りの成果が得られた」
グラフ

【図表2.4.1-3】「一定の成果は得られたが、期待どおりとは言えない」
グラフ

【図表2.4.1-4】「成果はほとんど出ていない」
2.4.2 ソーシャルメディアの成功/失敗と運用にあたっての組織間連携との関連性
  • ソーシャルメディア導入による成功/失敗は、ソーシャルメディアの運用にあたっての組織間連携と関連する。
  • 成功している企業は、組織間の連携(常時連携/随時連携/定期連携)を何かしら行っており、特に期待を上回る成果が得られた企業では常時連携を行っている。失敗している企業は、その逆で組織間連携を行っていない。

2.1.1にあるようにソーシャルメディア導入の成功/失敗の企業に対して、「ソーシャルメディアの運用にあたって、組織間の連携をどのように行っていますか?」と尋ねた集計結果が【図表2.4.2-1】【図表2.4.2-2】である。これらは、成功/失敗ごとにソーシャルメディアの運用にあたっての組織間連携との関係性を割合で示したものである。

成功している企業は、約8割が明確な仕組みやルールを構築している(「情報システムによるデータ連携の仕組みを構築している(常時連携)」28%、「関連部署との情報共有のルールを策定している(随時連携)」28%、「会議等の定期的な情報共有の場をもっている(定期的連携)」24%)。【図表2.4.2-1】

失敗している企業は、明確な仕組みやルールを構築している企業が半数を下回る(「情報システムによるデータ連携の仕組みを構築している(常時連携)」12%、「関連部署との情報共有のルールを策定している(随時連携)」18%、「会議等の定期的な情報共有の場をもっている(定期的連携)」17%)。さらに、「特に、組織間の連携を行っていない」が31%と最も割合が大きかった。【図表2.4.2-2】

グラフ

【図表2.4.2-1】成功(「期待を上回る成果が得られた」「期待通りの成果が得られた」)と
回答した企業におけるソーシャルメディアの運用にあたっての組織間連携度合い [%]
グラフ

【図表2.4.2-2】失敗(「一定の成果は得られたが、期待どおりとは言えない」「成果はほとんど出ていない」)
と回答した企業におけるソーシャルメディアの運用にあたっての組織間連携度合い [%]
2.4.3 ソーシャルメディアの成功/失敗と導入にあたっての意思決定レベルとの関連性
  • ソーシャルメディア導入の意思決定が部門長レベル以上の意思決定である場合に、ソーシャルメディア導入が成功する傾向がある。(成功企業の5割が部門長レベル以上の意思決定)
  • 一方で、成功企業の中では非管理職レベルでの意思決定も相当程度いることから、現場からのボトムアップで導入が実現するケースも少なくないことが分かる。

2.1.1にあるようにソーシャルメディア導入の成功/失敗の企業に対して、「導入を決定する際の意思決定は、どのレベルで行われましたか?」と尋ねた集計結果が【図表2.4.3-1】【図表2.4.3-2】である。これらは、成功/失敗ごとにソーシャルメディア導入にあたっての意思決定レベルとの関係性を割合で示したものである。

成功している企業では、50%が部門長レベル以上(「経営層(社長、役員)レベル」、「管理職(部門長)レベル」で意思決定が行われているが、失敗している企業では、部門長レベル以上は43%に留まっている。組織間連携が成功要因であるという2.4.1の結果を踏まえると、組織間連携を実現しやすい環境が部門長レベル以上の意思決定により整えられているという捉え方もできる。また、成功企業の中では非管理職レベル(チームリーダーレベル、担当者レベル)での意思決定が37%あり、現場からのボトムアップで導入が実現するケースも少なくないことが分かる。【図表2.4.3-1】【図表2.4.3-2】

グラフ

【図表2.4.3-1】成功(「期待を上回る成果が得られた」「期待通りの成果が得られた」)と
回答した企業におけるソーシャルメディア導入の意思決定レベル [%]
グラフ

【図表2.4.3-2】失敗(「一定の成果は得られたが、期待どおりとは言えない」「成果はほとんど出ていない」)と
回答した企業におけるソーシャルメディア導入の意思決定レベル [%]

2.5 ソーシャルメディアの成功/失敗と運用環境整備との関連性

  • 成功している企業は、「人材の教育・訓練」、「運用ルール・ガイドライン」、「プロセスの改定」、「外部委託」といった運用環境整備を十分行っている。
2.5.1 ソーシャルメディアの成功/失敗と人材の教育・訓練との関連性
  • ソーシャルメディア導入による成功/失敗は、運用に関わる人材の教育・訓練と関連性がある。
  • 成功している企業は、担当者/関連部署/全社のいずれかのレベルかで訓練(研修)を実施しており、逆に失敗している企業は特に何も実施していないという割合が半数を超えた。

2.1.1にあるようにソーシャルメディア導入の成功/失敗の企業に対して、「ソーシャルメディア運用に関する人材の育成はどのように行っていますか?」と尋ねた集計結果が【図表2.5.1-1】【図表2.5.1-2】である。これらは、成功/失敗ごとにソーシャルメディアの運用に関わる人材の教育・訓練との関係性を割合で示したものである。

成功している企業は、85%が訓練(研修)を実施している(「社員全員への訓練(研修)を実施」25%、「関連部署の社員へ訓練(研修)を実施」34%、「運営担当の社員への訓練(研修)を実施」26%)。【図表2.5.1-1】

失敗している企業は、訓練(研修)を実施している(「社員全員への訓練(研修)を実施」14%、「関連部署の社員へ訓練(研修)を実施」18%、「運営担当の社員への訓練(研修)を実施」17%)が49%に留まり、「特に人材育成は実施していない」が51%で半数を超えた。【図表2.5.1-2】

グラフ

【図表2.5.1-1】成功(「期待を上回る成果が得られた」「期待通りの成果が得られた」)と
回答した企業における運用に関わる人材の教育・訓練の実施割合 [%]
グラフ

【図表2.5.1-2】失敗(「一定の成果は得られたが、期待どおりとは言えない」「成果はほとんど出ていない」)と
回答した企業における運用に関わる人材の教育・訓練の実施割合 [%]
2.5.2 ソーシャルメディアの成功/失敗とルール・ガイドラインの策定度合いとの関連性
  • ソーシャルメディア導入による成功/失敗は、運用に関するルール・ガイドラインの策定度合いと関連性がある。
  • 成功している企業は、何らかの形でルール・ガイドラインを明文化している。特に、「期待を上回る成果が得られた」企業においては、大部分が「ソーシャルメディア対応のために新たなルールを策定した」としている。
  • 失敗している企業は、「特にソーシャルメディア対応のための明文化されたルールはない」という割合が高い。

2.1.1にあるようにソーシャルメディア導入の成功/失敗の企業に対して、「ソーシャルメディア運用にあたって、情報発信や情報セキュリティに関するルール、ガイドライン等を策定していますか?」と尋ねた集計結果が【図表2.5.2-1】【図表2.5.2-2】である。これらは、成功/失敗ごとにソーシャルメディアの運用に関するルール・ガイドラインの策定度合いとの関係性を割合で示したものである。

成功している企業は、9割がソーシャルメディア対応のためのルール・ガイドラインを明文化している。特に「ソーシャルメディア運用にあたって、新たなルールを策定した」は41%であった。【図表2.5.2-1】

失敗している企業は、6割がソーシャルメディア対応のためのルール・ガイドラインを明文化しているものの、「ソーシャルメディア運用にあたって、新たなルールを策定した」は21%であった。さらに「特に、ソーシャルメディア対応のための明文化されたルールはない」は41%であった。【図表2.5.2-2】

グラフ

【図表2.5.2-1】成功(「期待を上回る成果が得られた」「期待通りの成果が得られた」)と
回答した企業における運用に関するルール・ガイドラインの策定度合い [%]
グラフ

【図表2.5.2-2】失敗(「一定の成果は得られたが、期待どおりとは言えない」「成果はほとんど出ていない」)と
回答した企業における運用に関するルール・ガイドラインの策定度合い [%]
2.5.3 ソーシャルメディアの成功/失敗と運用に関するプロセスの改定との関連性
  • 成功している企業は、権限移譲の実施も含め運用全般に関するプロセスを改定している傾向があることから、ソーシャルメディアは従来のメディアの延長線上で捉えるのではなく、企業活動全体に影響があるものとして、業務レベルでの対策を行うことが成功要因と考えられる。
  • 失敗している企業に事前・事後のチェック強化の割合が高いことから、自由闊達なコミュニケーションにより顧客からの信頼を得るというソーシャルメディアの特性に対して、「チェック機能の強化」という対策が裏目に出ている可能性が指摘できる。

2.1.1にあるようにソーシャルメディア導入の成功/失敗の企業に対して、「ソーシャルメディア運用にあたって、業務プロセスや意思決定プロセスを改定しましたか?」と尋ねた集計結果が【図表2.5.3-1】【図表2.5.3-2】である。これらは、成功/失敗ごとにソーシャルメディアの運用に関するプロセス改定内容を割合で示したものである。

成功している企業は、「業務プロセスを簡素化した」が30%と一番多く、次いで「担当者に権限移譲を実施した」が27%であった。これら2つの合計は57%であった。【図表2.5.3-1】

失敗している企業は、「事前のチェックを強化した」が34%と一番多く、次いで「事後のチェックを強化した」が24%であった。一方で、「業務プロセスを簡素化した」と「担当者に権限移譲を実施した」の合計は38%であった。【図表2.5.3-2】

グラフ

【図表2.5.3-1】成功(「期待を上回る成果が得られた」「期待通りの成果が得られた」)と
回答した企業における運用に関するプロセス改定内容の割合 [%]
グラフ

【図表2.5.3-2】失敗(「一定の成果は得られたが、期待どおりとは言えない」「成果はほとんど出ていない」)と
回答した企業における運用に関するプロセス改定内容の割合 [%]
2.5.4 ソーシャルメディアの成功/失敗と運用にあたっての外部の人材活用度合いとの関連性
  • ソーシャルメディア導入は、ソーシャルメディアの特性の理解や他のメディアと連携した運用など、複雑なノウハウが必要であることから、外部人材の活用が有効と考えられる。
  • 成功している企業は、全部もしくは一部に外部人材(外部委託)を活用している割合が高く、失敗している企業は、自前で対応している割合が高い。

2.1.1にあるようにソーシャルメディア導入の成功/失敗の企業に対して、「ソーシャルメディアの運用にあたって、外部の人材を活用していますか?」と尋ねた集計結果が【図表2.5.4-1】【図表2.5.4-2】である。これらは、成功/失敗ごとにソーシャルメディアの運用にあたっての外部の人材活用度合いを割合で示したものである。

成功している企業は、7割が全部もしくは一部を外部委託している(「全部外部に委託している」24%、「一部外部に委託している」46%)。

失敗している企業は、全部もしくは一部を外部委託している割合が5割で、残り5割は「全部自前で対応している」であった。

グラフ

【図表2.5.4-1】成功(「期待を上回る成果が得られた」「期待通りの成果が得られた」)と
回答した企業における運用にあたっての外部の人材活用度合い [%]
グラフ

【図表2.5.4-2】失敗(「一定の成果は得られたが、期待どおりとは言えない」「成果はほとんど出ていない」)と
回答した企業における運用にあたっての外部の人材活用度合い [%]

以上